2024年2月6日(土)オンライン会議室ZOOMにて、第7回東御市における共創による地域交通人材育成アカデミー講演会を開催いたしました。
第7回講演会は講師として、株式会社umariより古田 秘馬(ふるた ひま)氏をお迎えし、「地域特性を活かしたまちづくりのヒント」と題してご講演いただきました。
香川県三豊市において、うどんと宿泊体験を掛け合わせた「UDON HOUSE」のプロデュースなど様々な取り組みについてお話しいただきました。
UDON HOUSE:体験型宿泊施設で地域に特化する
香川県三豊市は、人口減少と高齢化に悩む地方都市の一つでした。しかし、近年、UDON HOUSEやURASHIMA VILLAGEといったユニークな取り組みによって、地域活性化に大きな成果を上げています。
2018年にオープンしたUDON HOUSEは、宿泊客が讃岐うどん作りを体験できる宿泊施設です。単にうどんを食べるのではなく自ら作ることで、学びや体験を提供します。
UDON HOUSEは地域に特化することで、ここにしかない価値を生み、多くの外国人観光客惹きつけ、地域経済の活性化に貢献しています。
父母ヶ浜:地域の魅力を最大限に活かす
古田さんは三豊市で活躍する2社とチームを組み、父母ヶ浜の指定管理事業にも取り組みました。父母ヶ浜は元は塩田だった場所で、美しい干潟が広がる海岸です。美しい風景がSNSを通じて話題になりました。写真映えするスポットとして積極的にPRすることで、多くの観光客を呼び込むことに成功しました。
美しい景観を活かし、出張型コーヒー店など様々なプロジェクトを展開することで、地域の魅力を最大限に引き出しています。
これらのプロジェクトは、誰か一人が中心となって運営しているわけではありません。それぞれのプロジェクトに共感した人々が集まり、自主的に運営していく仕組みです。
URASHIMA VILLAGE:地域住民が主体となってホテル運営
高齢化、人口減少が続く日本の地方では、自助、公助のシステムに続く「共助」デザインが重要だと古田さんはお話しされました。
コミュニティが拡大し、観光客も増え始めると、大手企業が注目を始めるようになります。しかし、三豊市は地元の人たちによる地域のためのホテル建設に取り組みました。
2021年に完成したホテル「URASHIMA VILLAGE」は、地域の木材加工会社が建設し、地元の人たちが出資して運営しています。地域の人たちが主体的に事業を行うことで、責任感とプライドが生まれ、地域活性化に大きく貢献し、「自助」と「共助」を体現しています。
三豊市の事例は、地方創生にとって重要なヒントを与えてくれます。地域の特徴を活かしながら、持続可能なまちづくりをするための活動のアイデアを頂戴し、議論を深める機会となりました。
古田 秘馬〈ふるた ひま〉氏
プロジェクトデザイナー
株式会社umari
- 東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。農業実験レストラン「六本木農園」や讃岐うどん文化を伝える宿「UDON HOUSE」など都市と地域、日本と海外を繋ぐ仕組みづくりを行う。
- 現在はレストランバスなどを手掛ける高速バスWILLER株式会社やクラウドファンディングサービスCAMPFIRE、再生エネルギーの自然電力株式会社・顧問、医療法人の理事などを兼任。
合同会社まるごとは、長野県東御市での地域活性化の取り組みとして、地域の交通に関する課題解決を目指し、他の地域の成功事例を学ぶ全8回の講演会を計画しています。
デジタルを活用した地域活性化、まちづくりなどの取り組みに少しでも関心のある方はどなたでも講座にご参加ください。