「交通を軸に東御の未来を考える」第2回ワークショップ開催

交通を軸に東御の未来を考える ワークショップ
「移動と交流からはじまる これからの地域デザイン」ワークショップを開催しました。

日時2026年1月23日(金)15:30-17:00
会場東御市中央公民館 学習室9
参加方法会場参加およびオンライン(Zoom)
主催東御まるごと共創プラットフォーム
(事務局:合同会社まるごと)
Contents

1. 開催の経緯

11月17日および12月2日に開催された「交通を軸に東御の未来を考える」セミナーを受け、「移動と交流からはじまる これからの地域デザイン」をテーマとするワークショップを12月23日に開催しました。このワークショップには「東御をより良い地域にしたい」という思いを持った多くの方にご参加いただき、今後の進め方として、具体的なアクションに向けた一歩を踏み出すために継続して意見交換する場を設けることが合意され、今回はその最初の会合となりました。

今回のワークショップでは、前回の会合で出された意見を踏まえつつ、地域の実情に即した具体的な取り組み案について活発な意見交換が行われました。

2. 主な議題と議論内容

(1) 子どもたちの居場所づくりと農業体験

不登校支援と出席認定の課題

参加者から、不登校の子どもたちへの支援として、農業体験や畜産業への関わりを通じた居場所づくりの提案がありました。特に、フリースクール的な場所で学生や子どもたちが農作業を体験し、それぞれが自由に過ごせる環境の重要性が語られました。

中学生の不登校問題について

中学生の不登校問題について、2年生でつまずいた場合、3年生での受験時に学習の遅れが影響することが指摘されました。たとえば農業や畜産業での体験を学校の出席として認める制度があれば、子どもたちの未来の選択肢が広がり、学歴社会においても親御さんの不安を軽減できるのではないかとの意見が出されました。

(2) 学校教育との連携

既存の取り組み事例

東御市内の小学校では、野菜栽培体験や稲作、味噌づくりなど、既に農業体験を取り入れた教育活動が行われていることが共有されました。

また、公共交通を利用した遠足で電車に乗る練習を行うなど、交通教育と地域資源を組み合わせた取り組みも紹介されました。

部活動としての農業体験

参加者からの提案として、地域移行が進む部活動の枠組みを活用し、「農業部」のような形で農業体験を位置づけることができれば、不登校の生徒にも出席が認められる可能性が議論されました。毎日ではなくとも、関心のある子どもたちが参加でき、地域の大人がコーチとして関わる形が提案されました。

キャリア教育との連携

東御市内の中学校では、キャリア教育の一環として地域のさまざまな職業人を招いて授業を行う取り組みが既に実施されています。飲料会社や農家の会長、お菓子作りなど、多様な職業の方々が参加しており、これを発展させる形で農業体験をより深く組み込むことについて深掘りしました。

中学生の職場体験についても、商工会議所青年部が主体となって実行委員会を運営しており、年に一回開催されています。

東御清翔メッセについて

また、東御市内の県立高校である東御清翔高校で行われている、「東御清翔メッセ」が地域企業の関心を集めていることが報告されました。

「東御清翔メッセ」は東御清翔高校が地元の企業・団体と協力し、校内で開催する特色あるキャリア教育・地域学習イベントです。35〜40社ほどの地元企業がブースを設け、高校生に向けて体験型やプレゼンテーション形式で仕事の魅力を伝えます。生徒は将来の職業選択や生き方を学ぶことができ、企業側も自社に対する理解促進の場として参加希望も多く、現在では40社以上の応募があるとのことで、地域の企業が子どもたちの教育にも関心を持っている様子が伝えられました。また中学生の参加も可能とされていることで、中学生の参加もあるそうです。

(3) 地域づくりと組織の課題

地域づくりの会

参加者から、各地区における「地域づくり市民の会」の活動について紹介がありました。この会は市内各地区の民生委員や消防団の分団長などで構成され、講演会の開催や地域防災などを担っています。

ただし、こうした会議は既存の役職者が中心となるため、子育て世代や若い世代の参加が少ないという課題が指摘されました。住民自治の理念は重要である一方、新しい取り組みを始めようとすると既存組織への負担増加が懸念されるという構造的な問題も浮き彫りになりました。

若い世代の参加促進

若い農家の方々が意欲的に活動している実態も紹介され、「かっこいい人が多い」という印象が共有されました。しかし、そのメッセージや魅力が十分に地域や子どもたちに伝わっていないという課題も認識されました。

農家の方々自身は「子どもたちに話をする機会があれば喜んで協力する」という意向を示しており、子どもと農家をつなぐ仕組みづくりの重要性が強調されました。

(4) 地元女性グループの事例

地域の女性による食品加工グループ

参加者から、地域の事例として、地元女性たちが出資して立ち上げた農事組合法人「味の研究会」の話が紹介されました。

創立された1986年当時、地域の女性たちは自分の自由になる収入がなかったため、「自分が自由にできるお金を持とう」という目的で、出資金を集めグループを立ち上げたそうです。創業当初は食品加工の経験がなかったため、大変な苦労を経て、地域との信頼関係を築いてきたとのことです。

みまき豆腐やおやき、味噌、焼き菓子など、地元の食材にこだわり、何年もかけて事業を軌道に乗せてきました。現在では小学校で食育活動も行うなど、地域に根差した活動が展開されています。

この事例は、地域の課題に対して住民自らが動き、継続的に取り組むことの重要性を示すものとして共有されました。

(5) 市民活動団体の事例

まちもりto-miの活動:東御くるくる市

参加者から、市民活動団体「まちもりto-mi」の取り組みが紹介されました。この団体は2013年から活動を開始し、これまでに約25回の「東御くるくる市」(不用品交換会)を開催してきました。

くるくる市は、子供服や日用品などの不用品を無料で交換できるイベントで、お金を介さず、持ってきても持ってこなくても参加できる気軽な仕組みが特徴です。

Facebookでしか宣伝していないにもかかわらず、口コミで若い母親世代が多く参加しており、三世代で訪れる家族もいるとのことです。メンバー自身の子どもたちが成長し、現在は3名で運営しているものの、地域に根付いた活動として継続されています。

また、同団体は過去に東御市内限定の事業者を集めたマルシェを過去に5回ほど開催しており、地元の農業・飲食関係者など約20店舗が参加する賑わいを見せていました。こうした地道な活動が、地域のつながりを生み出す事例として共有されました。

3. 今後に向けた提案と方向性

(1) まずは「ゆるく」始める

座談会では、大規模なイベントを企画するのではなく、まずは小規模で「ゆるい」形から始めることが重要だという認識が共有されました。

  •  農家の方々に学校を見学してもらい、校長先生や教育委員会の担当者とつなぐ
  • 興味のある子どもが1人でも来られるような場を作る
  • 「やらされている感」が出ないよう、自然な形で関係を築く
  • 既存の取り組み(くるくる市、マルシェ、味の研究会など)から学び、つながりを活かす
  • 特別なことではなく、「やっていることの延長線上」で工夫して組み合わせる

(2) 具体的な進め方

  • 東御清翔メッセなど地域の催しを見学し、連携の可能性を探る
  • 中学校の先生や青少年育成の関係者に声をかけ、情報共有の場を持つ
  • キャリア教育や職場体験の枠組みを活用し、農業体験を組み込めないか検討する

(3) 多様な大人と子どもをつなぐ

座談会では、子どもたちに「仕事とは何か」「大人とは何か」を伝えることの重要性が強調されました。企業説明会ではなく、地域の多様な大人が自分の仕事や生き方を語る場を作ることで、子どもたちの視野が広がることが期待されます。

(4) 居場所づくりとしての位置づけ

不登校の子どもたちにとって、学校以外の居場所があることは非常に重要です。農業体験がその選択肢の一つとなり、将来のステップにつながる環境を整えることが、今後の大きな目標として掲げられました。


4. まとめ

今回の会合では、東御市の未来を見据え、子どもたちの教育、農業の活性化、地域づくりという3つの視点が交差する議論が展開されました。

既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想で「できることから始める」という姿勢が参加者全員に共有され、今後の具体的な行動につながる有意義な意見交換の場となりました。

次回以降、学校関係者や農業関係者との対話を進め、小さな一歩から着実に取り組みを広げていくことが期待されます。

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